歯の神経を残すMTA歯髄温存療法とは?|町田ごうデンタルクリニック|町田駅5分の歯医者

〒194-0013 東京都町田市原町田1-9-18 キタノハウス1F
042-860-6555
WEB予約
ヘッダー画像

歯の神経を残すMTA歯髄温存療法とは?|町田ごうデンタルクリニック|町田駅5分の歯医者

歯の神経を残すMTA歯髄温存療法とは?

日頃より町田ごうデンタルクリニックをご愛顧いただきありがとうございます。本院では歯の温存治療を第一に掲げて日々治療にあたっております。その具体的な治療目標は「歯の神経を残す治療を行う事」「歯の神経を残せない場合は、なるべく精密な根管治療を施して再発リスクを軽減すること」の2つとなります。

今回は本院の特徴の1つでもある「歯の神経を残す治療」についてより詳しくお話させて頂きます。

 

MTA歯髄温存療法とは?

虫歯の治療を行うとき、虫歯が大きい場合や銀歯の再治療などを行う場合に神経が露出する事があります。従来は神経が出てしまった場合はその神経(歯髄)を取って治療(専門用語で抜髄といいます)を行っていました。

歯の神経(歯髄)は歯に感覚を与えるだけではなく、歯に栄養や酸素を与えたり、細菌に抵抗するなどの働きがあります。この為歯髄を除去した歯はもろくなることが多く、歯根破折などが起こりやすくなるという問題もあります。また、歯の根の治療を受けた後に歯茎が膿んでしまい、根の治療を再度やり直したりした経験がある方も多いかと思います。歯髄を除去する根管治療を受けた場合、トラブルを発症して歯を喪失してしまうリスクは前歯の部分が1.8倍、臼歯部に至っては7.4倍にもなるという研究もあります。

つまり、歯髄がなければ、歯の寿命は大きく低下してしまうのです。

そこで、歯髄を除去しないように治療する方法として、MTA歯髄温存療法という治療方法があるのです。

この治療法は虫歯に露出している神経の内、感染している神経のみ取り除き、健康な神経を抗菌性のある薬剤で覆ってしまうという治療法です。ここで用いられる薬剤が、MTAセメントという材料になります。

MTAセメントは通常の材料とは全く異なる利点を持つ材料です。具体的には下記の通りとなります。

・むし歯菌に感染した神経を取り除いた後、傷ついた神経の炎症(痛みや神経へのダメージ)を取り除くことができるだけの強力な殺菌・鎮痛作用がある

・水分と固まる性質があり、特に歯髄に含まれる血液や漿液でも固まってくれる。固まる際にカルシウムを放出し、歯の神経の内側に自分の体由来の壁を作り出し神経を守る能力を持つ

・歯の治療に使える材料で唯一固まったあとに膨張する性質があり、神経を被覆した部分とセメントとの隙間が大幅に少なくなるため、治療後に冷たいものや熱いものの刺激が伝わりにくくなる

 

一方で、MTAセメントには欠点もあります。

・水分で固まる性質がある一方唾液などが侵入すると失敗に終わる為、処置を行う際はラバーダム防湿やZOOによる唾液侵入阻止(感染防止対策)が必須であること

・操作性に難があり、処置の際には拡大鏡やマイクロスコープによる拡大視野での精密治療が必要(特に歯の神経の生死判断には必須)

MTAセメントそのものは歯と接着しないため、MTAセメントが脱落しないようなるべく接着性の高い材料でMTAセメントを保護したほうが安全です。この為、MTAセメントを用いた後は費用が許すようであれば、取れやすい銀歯や劣化して汚れの溜まりやすい樹脂ではなく、歯としっかり接着してむし歯になりにくいセラミック修復をお勧めいたします。

 

実際にMTAセメントによる歯髄温存処置を行い、セラミック(ジルコニア)による修復を行った患者さんの症例は下記の通りとなります。

MTA歯髄温存療法が適応するケース

MTA歯髄温存療法は、どのようなケースでも適応する治療方法ではありません。場合によっては、治療が行えないケースもあります。

MTA歯髄温存療法が適応可能な歯の状態は「C2」~「C3」の範囲となります。

虫歯と歯髄が極めて近くにあるケース、「C2」の場合の場合の治療費は16500~33000(税込)となります。

C2より症状が悪化し、よりむし歯が進行して神経と一部交通してしまっているケース、「C3」の場合は、神経に炎症を起こしていないことが条件となります。

このケースの治療費は33000~44000(税込)となります。

成功率はご自身の年齢、食いしばりの有無、虫歯の進行程度によって変化し、通常98%~88%程度とされております。処置の甲斐なく失敗に終わった場合は残念ながら神経をとる治療に移行します。

むし歯による歯の痛みが何もしなくても出ている状態ですと、神経に強い炎症を生じている為適応できません。また、痛みがなくても神経が死んでしまっている場合は適応できません。この点については治療前の診断にてしっかりと確認した上でご提案いたします。

 

まとめ

虫歯になったとき、それが大きいものであれば歯髄が露出してしまうため、痛みを抑えるためにも抜髄してしまうのが一般的でした。しかし、抜髄すると歯の寿命が縮まってしまうことから、最近では保存する治療を行うことも増えています。MTA歯髄温存療法は、歯をより良い状態でなるべく維持していきたい、という人にお勧めの治療方法です。

本院では歯髄温存療法に必須な、「ラバーダム防湿」「拡大鏡・マイクロスコープによる拡大視野治療」「神経の生死診断に必要な電気診断装置」「患部の消毒・殺菌に用いるレーザー照射装置」など専門性の高い医療機器を取り揃えて、確実性の高い治療を行っております。

本院では、むし歯治療において必要性を認める場合は必ずご提案致します。虫歯にお困りでご興味のある方は是非本院にお問い合わせください。

尚、ご予約はWEBからか042-860-6555までご連絡ください。 

院長 吉田 剛