2親知らずの移植法
文字通り、親知らずの歯を抜いて、即時に別の部位に移植する方法になります。条件は非常にシビアで、ごく限られた状況においてのみ実行可能な治療方法です。
- 親知らずの形がシンプルで、移植先の骨の形態と近いこと
- 親知らずにむし歯がないこと
- 親知らずを受け入れる側に十分な骨が残っていること、重篤な感染がないこと
- お口の中の清掃状態が良好でかつ、糖尿病や喫煙などの失敗因子がないこと
- 年齢が10代~30台まで(それ以降は成功率が急激に低下する為本院ではお受けしておりません)
残念ながら成功率は7割程度とあまり高くないこと(失敗した場合は脱落します)、成功したあとの生存年数はあまり長くないこと(早ければ数年でトラブルを起こす)が欠点となります。親知らずの移植を含め、人工的に咬む歯を作る入れ歯、インプラント、ブリッジはどの方法にも必ず代償を伴います。これらのことをご説明させていただき、ご同意の得られた方のみ処置を行います。移植が無事完了したら、歯の根の治療(根管治療)と被せものの治療が必要となります。
3歯周病・むし歯による抜歯とソケットプリザベーション
不幸にしてむし歯や歯周病で歯を抜く場合は、抜いた後の骨が失われないようにする処置を行うことが重要です。歯を抜いた後は必ず骨の高さと幅が失われ、周りの歯の支えが減少する上に、歯を抜いたあとの治療法である入れ歯・ブリッジ・インプラントすべてに悪影響をきたします。歯を抜いた後の治療の確実性を高め、かつ治療完了後の安定性を向上させるためには、抜歯の時点からそれを見越した処置を行うことが必要となります。
簡易的な方法は、歯を抜いて消毒したあとの骨の穴の中に治癒を促進するコラーゲン製材を入れ込む方法です。
この方法は簡便でかつ安価ではありますが、傷口が開放創(通常、お腹の皮膚と異なり歯茎は伸びないため、傷口を縫って封鎖することができない)となる為、治癒の過程で骨ができるより先に粘膜が骨の穴に入り込んでしまう欠点があります。
そこでより確実性のある方法は、歯を抜いて消毒した後の骨の中に人工の骨を入れる方法です。ただし、ただ入れただけでは唾液と血液で洗い流されてしまうため、特殊な抗菌性の人工膜(オープンバリアメンブレン)を蓋にして糸で縫いあわせる処置を行い、人工骨の露出・流失を防ぎます。抜歯後の傷が閉鎖創となるため、痛みが大幅に減少する点もメリットとなります。
抜歯部をレーザーで無菌化・消毒し、人工骨を充填します。この時唾液が介在しないようZooによる防湿処置を行います。人工骨はかならずこのメンブレンと骨との間に充填されるよう位置関係を調節して設置することで、感染を抑止します。
人工骨充填後、オープンバリアメンブレンを綴じ込み、歯肉と骨との間に介在させます。この為、抜歯の際にいかに歯茎を傷つけずに処置を行うかが成否を分ける要素です。
最期にメンブレンを傷つけないように歯肉を縫合し、固定して完成になります。(傷口の完全閉鎖=閉鎖創)
糸は3~5日程度で除去し、メンブレンは1カ月以内に除去または自然脱落します。
骨が完全にもどるまで、1年程度経過観察致します
4歯周外科処置・歯を支える骨の再生治療
基本的な歯周病治療を完了させたものの、歯周病の状態が完全に改善されてない場合に検討される治療法になります。一方で、根の先の感染が原因の歯周病の場合は外科的根管治療の適応となります。
当院では歯科用CTによる診断、マイクロスコープによる精密処置、さらには歯科用レーザーによる徹底した消毒により成功率を高めます。
5顎関節症・歯ぎしりへの治療
口を動かそうとする時、耳の前あたりや、顎の筋肉が痛む。または大きく口を開けられない・開けるのが怖い。口の開け閉めの際に音がして気になるなどの症状があれば、それは顎関節症かもしれません。
顎関節症は、単一の病気ではなく、咀嚼(そしゃく)筋痛障害、顎(がく)関節痛障害、顎関節円板障害、変形性顎関節症といった疾患の総称となります。関節円板とは骨と骨の間でクッションの役割をしている組織で、ものを食べたり口を開けたりしたときに顎(あご)が痛む、口が開かない、顎を動かすと「カクン、カクン」と音がするなどの症状が出ます。
顎の関節を安静に保つため、または歯ぎしりによる顎の症状と歯の摩耗防止のためにマウスピースによる治療を当院では行っております。
また、コンタクトスポーツでの歯の破折防止用のスポーツマウスガードの作成も当院で行うことができます。
6インプラントによる歯の再建治療
インプラント治療につきましては現在準備中となっております。スタッフの人数充足と練度向上による病院機能の充実に合わせて、治療を開始いたします。インプラント治療ご希望の患者さんにつきましては、専門の歯科医院へご紹介いたします。