一度生えてきた歯は二度と再生しません。
永久歯を守るために大事な6つの事を本院では堅守し、患者さん各々の状況に適した治療を当院では行っています。
- ラバーダム防湿やZOO防湿による感染制御
- 歯の神経を守るむし歯治療(MTA)
- 骨まで感染した歯を守る根管治療
- 歯を守る最後の砦、外科的温存治療
- 止むを得ずに歯を抜いた後の噛み合わせ再建
- 病気にならない為の予防治療
歯の温存のための取り組み
一度生えてきた歯は二度と再生しません。
永久歯を守るために大事な6つの事を本院では堅守し、患者さん各々の状況に適した治療を当院では行っています。
ラバーダム防湿とは、治療する歯のみをゴムのシートで隔離する感染抑止法です。医療ドラマでお腹の手術をする際に、手術する領域にシートをかけて消毒したりしていますがそれと似た意味合いを持ちます。
特に根管治療においては、海外での高い根管治療の成功率を下支えする必須の処置方法になります。
当院においても下記状況に置いて、歯の状況が許す限りラバーダム防湿を行ってまいります。また、ラバーダム防湿が困難な場合にはZOO防湿による代替防御手段を取ります。
根管治療を受けた歯の喪失リスクは前歯で1.8倍、奥歯で7.4倍という論文もあり、歯の寿命は有意に低下します。よって歯の神経を残すことの重要性は言うまでもありません。
むし歯が深く、歯の神経に到達・あるいは神経ギリギリの位置までむし歯を削ってしまうと、神経を守る歯の壁が失われたことで咬む力や暖かいもの・冷たいものの刺激に神経が耐えられず、根管治療(神経の除去)が必要になります。
これを防ぐ治療がMTA歯髄温存療法になります。
MTA歯髄温存療法は、MTAセメントという強い消毒・鎮痛作用を持つ薬剤を用います。この薬剤で外界からの刺激を遮断し、更にはカルシウムを放出して神経の内部にも自分の体由来の壁をつくる性質を利用して歯の神経を守ります。処置後は別に詰めもの・被せものを行い、歯を多重に防護して二次う蝕の防止に努めます。
MTAの治療はラバーダム(感染防止ゴム)、消毒用レーザーによる感染対策、そしてマイクロスコープや拡大鏡による精密治療が非常に重要となります。
重度のむし歯で歯がほとんど残っていないケースや、根管治療が奏功しない・何らかの事情でできない場合等で通常の治療方法では抜歯を避けられない場合に行う最期の砦となる治療方法です。いずれも成功率がある為、処置前には必ず個々にご説明し、リスクをご理解いただいた上で行うようにしております。
最も侵襲が少なく、最初に考慮すべき治療方法です。割れている歯や治癒しない根の先の病気に対して、レーザー光照射プローブを患部に直接入れ込んで消毒を図ります。割れている歯については割れていても強度が保てる状況であるならば、感染状態を取り除くことで温存が図れる場合があります。
治癒しない根の先の病気に対しては、歯茎に小さな穴をあけてレーザー光照射プローブを入れ込み根の先を直接消毒して治療します。歯茎の切開・縫合をする必要がない為、ご負担は最小限となります。
根管治療やレーザーによる消毒治療が奏功しない場合の、抜歯を避けるための最期の砦となる治療法です。
歯科用CT撮影を行い、手術可能と判断できる部位にのみ行う治療方法です。歯の根の先に位置する部分の歯茎を切開し、病気の原因となる歯の根の先と膿んでいる骨を切除する治療法です。根管治療と同様感染防止対策と徹底したレーザーなどによる消毒、マイクロスコープでの精密治療が重要となります。
常の歯周病治療やレーザーによる消毒治療が奏功しない場合の、抜歯を避けるための最期の砦となる治療法です。歯科用CT撮影を行い、歯周病によって失われた骨の状況と病気の原因を特定したのち、歯茎を切開し、病気の原因となる感染組織を切除したうえで人工の骨と骨の再生を促す薬を塗布する治療方法です。こちらの場合も感染防止対策・レーザーによる消毒・マイクロスコープでの精密治療が重要です。
歯茎の中に埋もれてしまった歯の根を引き出して、差し歯にする治療方法です。埋もれている量によって簡単な歯茎の切除のみで済む場合と、口の中の手術が必要になる場合の2つがあります。また根管治療が必ず必要になります。最終的には歯の土台をつくり、差し歯が入る形となります。