入れ歯には、保険が適用されるものと適用されないものがあります。

保険が適用されない自由診療の入れ歯には、口内の粘膜と触れる部分の床が金属になっているものもあり、使われる金属にはいくつかの種類があります。

金属床の入れ歯の一種である、コバルトクロム床義歯について解説します。

コバルトクロムとは？

入れ歯を自由診療で作製する場合は、口内の粘膜と触れる部分を金属にした、金属床の入れ歯を選択できます。

金属床の素材にはいくつかの種類があり、その中で最も安価なものがコバルトクロムです。

コバルトは、単体で使われるよりも合金として使われることが多い金属です。

入れ歯の金属床に使われる場合は、コバルトクロムという合金が使われています。

なぜ、コバルトクロムを金属床に使用するのでしょうか？

コバルトクロムは、金属アレルギーの方でも反応しづらい金属です。

コバルトクロムアレルギーという人もいるので、誰でも問題なく使えるというわけではないものの、ほとんどの場合は問題なく使えます。

コバルトクロムは金属床の中でも強度が高いため、床の厚みを少なくできます。

保険診療のレジン製の入れ歯は厚みがあるので、口に入れると違和感があるという人も多いのですが、コバルトクロム床義歯は床が薄いため違和感を覚えにくいでしょう。

コバルトクロム床義歯のメリット

コバルトクロム床義歯のメリットとして、金属床の中では最も安い価格で製作できるという点が挙げられます。

他の素材であれば、2割から10割ほど高くなります。

入れ歯にすると食事が美味しくないといわれているのは、熱が伝わりにくいというのも理由の1つです。

一方、金属床義歯はレジン床の入れ歯と比べて熱伝導率が高く、食べたものの温度を感じることができるため、食事も楽しくなります。

口の中に入れるものは、厚みが少なければ違和感も少ないというのは当然です。

レジンよりも金属の方が強度は高いため、金属で作られた床の方が薄くでき、違和感も少ないのです。

また、レジン床義歯の場合はあまり細かい調整ができないのですが、コバルトクロム床義歯は細かな調整ができ、ぴったりとフィットする入れ歯を作れます。

長く使う入れ歯なので、自分に合ったものにしましょう。

まとめ

コバルトは、入れ歯の床を金属にした金属床の入れ歯の素材に用いられる金属で、主にコバルトクロム合金として使われます。

コバルトクロム合金は熱伝導率の高い素材であり、強度が高いため、コバルトクロム床義歯はレジン床義歯より厚みを少なくできる点がメリットです。

床が薄いため、口の中に入れた際の違和感が少なく、使いやすいでしょう。

金属床の中では最も安価なので、費用を抑えたい方にはおすすめです。

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