根管治療が必要になる歯髄炎がどのような病態か、解説します
- 2023年1月8日
- 根管治療
根管治療は、虫歯の中でもいくつかの病態に対して行われる治療です。
歯髄炎も、その病態の1つです。
歯髄炎というのは、どのような病気なのでしょうか?
また、歯髄炎には、可逆性歯髄炎と不可逆性歯髄炎があるのですが、どのような違いがあるのでしょうか?
歯髄炎について、解説します。
可逆性歯髄炎とは?
歯の表面はエナメル質が覆っていて、その内側に象牙質と言われる部分があります。
さらにその内側には、神経や血管が含まれる歯髄という組織があります。
この歯髄に炎症が起こっている状態を、歯髄炎といいます。
歯髄炎は、細菌が歯髄の中にある神経に入ってしまった状態です。
歯髄を除去せずに治療することが可能な段階を、可逆性歯髄炎といいます。
この状態は、歯髄炎の中でも歯髄充血という段階になっています。
歯髄充血は、炎症が起こっているため歯髄内の毛細血管が拡張しており、冷たいものを飲んだ時に染みてしまうのですが、刺激がない限りは痛みが生じることもない初期症状です。
虫歯を放置していると、原因菌から生じた毒素や細菌そのものが歯髄に届いて歯髄炎になってしまうのです。
不可逆性歯髄炎とは?
可逆性歯髄炎から症状が進行してしまうと、何もしていなくても痛みが生じるようになります。
この状態を、不可逆性歯髄炎といいます。
そのままにしていると失活という神経が死んだ状態になってしまうため、あたかも痛みが治まったように思えるでしょう。
しかし、歯髄炎が治ったわけではないので、放置するとさらに悪化してしまいます。
一度そうなると、回復したり再生したりすることはありません。
そして壊死すると、今度は歯髄が腐っていきます。
これを歯髄壊疽といい、う蝕によって大きく歯が欠損していると腐敗臭や口臭が起きてしまいます。
また、歯の色にも影響が出てしまいます。
元々白かった歯が黄色や灰色になってしまい、見た目が悪化するのです。
そして、根尖性歯周炎になっていきます。
不可逆性歯髄炎になってしまうと、歯髄を除去する抜髄を行わなければ、さらに悪化していくことになります。
抜髄の後、残った空洞部分は薬剤を使用して洗浄し、細菌が再び侵入するのを防ぐために根管充填を行います。
まとめ
歯髄炎は、根管治療が必要となる代表的な病態です。
不可逆性歯髄炎になってしまうと抜髄をしなくてはならなくなり、歯の寿命も短くなってしまうため、出来るだけ可逆性歯髄炎の段階で治療しましょう。
また、放置していると、どんどん悪化していき、やがては根尖性歯周病に進行してしまうため、痛みがある場合は可能な限り早く治療するようにしてください。
当クリニックは、最大限に歯の神経を残し、ご自身の歯を守る治療を行っております。
抜歯を検討する前に、先ずはご相談下さい。
町田市で歯医者さんをお探しの際には、是非、町田ごうデンタルクリニックにお問い合わせ下さい。