抜歯を防ぐための根管治療について
- 2022年8月27日
- 歯の温存のための取り組み
歯の治療では、抜歯をすることがあります。
しかし、永久歯は一度生えてくると二度と再生しません。
永久歯は、治療のためであっても、なるべく抜かないようにしなくてはいけないのです。
抜糸をしないための治療の1つとして、根管治療という方法があります。
これは、どのような治療なのかを解説します。
根管治療とは?
虫歯というのは、歯の表面を溶かすものだと思われがちなので、表面だけ治療すればいいと思っている人もいます。
しかし、実際には虫歯菌が歯の奥まで到達してしまうことがあるのです。
歯は表面に出ている部分の他、歯茎に埋まっている歯の根の部分もあります。
奥の部分は根管と言い、神経と血管が通っています。根管まで虫歯菌が到達してしまうと、細菌感染が神経まで及んでしまい激しい痛みが生じます。
虫歯も重度となってしまい、放置しておくと神経が壊死します。そして歯根部で壊死した神経が腐敗することで、膿が溜まります。膿が骨の内部に侵入すると骨を溶かしながら痛みを発します。放置すれば歯を支える骨が失われ歯が抜けてしまうため、これを防ぐために根管治療を行う必要が生じるのです。
抜歯を防ぐため、根管治療では歯根部の内部の根管を消毒し、虫歯の原因菌を除去します。
根管の形状は非常に複雑で細いため、目視では奥まで確認できないことから、非常に高度な技術、機材、そして時間を要する治療なのです。
再発リスクを下げるために
根管治療は非常に繊細な治療なので、再発リスクも高い傾向にあります。そのため、再発リスクを下げる工夫が必要になるのです。どのような取り組みで再発リスクを極力下げることができるのか、解説します。
まず行うべきなのは、ラバーダム防湿です。これによって、唾液の治療部分への侵入を防ぎ、高濃度消毒剤を安全に使用することができます。
また、根管治療に用いる治療器具は徹底して滅菌します。器具に菌が付着していることが原因で、細菌感染が起こる可能性もあるためです。
本院では根管治療器具については通常の滅菌機に加え、小器具の個包装可能な滅菌機を用い、使用直前に開封することで器具からの感染を抑止します。
また、根管は形状が複雑なので、消毒を確実に行うことが困難です。
そのため、歯の先の形状を3次元的に把握することができる歯科用CTを応用して、形態を把握したうえで治療していくことも重要です。CTでの撮影診断は近年、保険制度の改定に伴い、現在は保険を用いての診断が可能です(3割負担で3500円程度)。積極的に活用させて頂きたい診断方法の一つとなります。
誤切削や神経の取り残しなどが無いように、拡大鏡やマイクロスコープを利用して、精密な根管治療を行うことも再発防止になります。(院長自身も、拡大鏡とマイクロスコープを用いるようになってから根管治療の成績が大幅に向上したという自覚があります)本院では院長・歯科衛生士ともに拡大鏡を使用し、根管治療においてはデジタルマイクロスコープを併用した治療を行っております。
治療器具が届かないような微細な構造部分は、十分な治療時間を取って歯科用レーザーを使い徹底消毒することで、根の治療と仮詰めの繰り返しによる感染リスクの増大を防止することが大切です。
根管治療を行う際は、上記のような再発リスクを下げるための取り組みが重要と考えております。
まとめ
歯を残して治療をするためには、根管治療が成否がカギとなる場面が往々にしてあります。
そしてこの根管治療こそ、再発リスクが高く失敗が抜歯に繋がりうることから、歯の神経を残すことができなかった場合は非常に重要な治療となるのです。
本院では根管治療は歯の温存のための重要かつベースとなる基本的治療と位置づけ、必要とするすべての人に等しく治療を受けて頂きたいと考え、保険適用で行っております。
町田市で歯医者さんをお探しの際には、是非、町田ごうデンタルクリニックにお問い合わせ下さい。
当クリニックは、最大限に歯の神経を残す治療を行っております。今回のお話は神経を残すことができなかった場合の治療となりますが、歯を守る為には必須の治療となります。
不幸にして根管治療が奏功せず、抜歯を薦められ検討されている場合は是非ご相談下さい。
スタッフ一同、お待ちしております。