ラバーダム防湿法ってなに?
- 2022年8月6日
- 歯の温存のための取り組み
本院のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。本院では歯の神経の治療やセラミックの治療、アマルガム(歯科用水銀)の除去の際などにこのラバーダム防湿法を用いています。このラバーダム防湿とはどのような治療で、何のために行われるのかを本日お話させて頂きます。
ラバーダム防湿法とは?
ラバーダム防湿法というのは、ゴムのシートによって治療する歯だけを隔離するという方法です。医療ドラマやドキュメンタリーなどで、ゴムのようなシートをかけて手術しているシーンを見たことはないでしょうか?この時、手術している箇所以外はシートに覆われていると思います。ラバーダム防湿法には、これと似たような意味があります。この治療法は欧米諸国など海外でよく行われていますが、ラバーダムの装着までに5分~10分程度を必要とし、1回の治療時間が15分~30分で行うことが多い日本の治療スタイルには馴染みにくく、ラバーダム防湿法を用いた治療を行っている歯科医院は、日本ではまだまだ少数と言わざる得ません。
ラバーダム防湿法の目的
ラバーダム防湿の目的は、治療する対象の歯を隔離し、口の中の汚れを含んだ唾液から完全に遮断することにあります。これが治療上非常に意味がある行為なのです。
歯の詰め物をつけるときに接着剤が唾液に触れれば当然、詰め物が取れやすい状態になります。また、接着剤の劣化を早めると歯と詰め物の隙間に虫歯を作る原因にもなります。下の写真はセラミックを装着する際のラバーダムの装着イメージとなります。
本院では歯の根の治療(根管治療)を行う場合はラバーダムを必ず実施します。何故なら、唾液中の細菌が歯の神経の管の内部に侵入すると、その細菌が治療完了後に繁殖することで再発する原因となるためです。また唾液と完全に遮断されているということは、根の内部の消毒の治療の際に高濃度の殺菌消毒材を歯茎に接触させることなく安全に使用できることを意味します。
ラバーダム防湿を行った根管治療は日本歯内療法学会(歯の根の治療の学会)でも、統計的に治療成功率の向上が認められることから使用を推奨されており、根管治療において必要不可欠なものと言っても過言ではありません。
昔の歯の詰め物にはアマルガムという金属が使われていることがあり、ここに虫歯ができると取り除く必要があります。アマルガムには無機水銀が含まれており、飲み込まないように治療する必要がありますが、ラバーダム防湿法によって水銀の削りカスをラバーダム内に留め吸引することで、一切誤飲がない状態で治療ができるというわけです。
まとめ
ラバーダム防湿は、それに適した治療に用いる事で確実に治療精度と安全性を向上させる方法です。使用する際に治療時間等や費用のコスト等ハードルも確かにあります。しかし本院では、本院を選んで頂いた患者さまの長期的な利益を鑑みて上記の治療ケースにおいては可能な限り行っております。(事情があってラバーダム防湿が行えない方にはZOOという代替手段も準備しております)また先述の治療時間においては、ラバーダムを行う必要性がある治療の場合60分~の時間を確保することで、ハードルをクリアしています。また、ご高齢の方で短時間での治療をご希望の方についても、ご相談に応じます。
ラバーダム防湿やZOOを用いた各種治療にご興味のある方は是非ご相談ください。
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