歯周病の定期チェックをお勧め致します。
日頃よりご来院頂きありがとうございます。
本日は歯周病の定期チェック・検診についてお話させて頂きます。歯科の受診というと、痛くなってから行くイメージがあるかと思います。しかし、歯周病は痛みなどの自覚症状がなく進行し、気づいた時は手遅れという状態になる事の多い病気です。是非、この記事をご覧いただいた皆さまには、歯茎の状態が歯肉炎から先に進展していないかどうかご確認いただきたいと思います。
1.歯肉炎
歯茎に汚れが残り散発的に炎症を起こしている状態です。歯磨きの際に出血をする方は、歯肉炎以上の病状になっている可能性があります。まだ深部の骨への細菌の侵入はほとんどない為、ここで治療ができれば歯へのダメージは最小限になりますが、残念ながら自覚症状がない方が大多数です。鼻づまりなどで口呼吸になっている方は抗菌作用のある唾液の減少によって、歯肉炎になりやすいです。歯周病検査でポケットの数値が1~2mm程度と健常値とほとんど変わらないが、出血がある場合が該当します。
2.初期歯周炎
歯肉炎が進行し、歯茎の炎症が慢性化した状態です。歯垢が固まって歯石になると歯ブラシでは除去できなくなり、細菌がより繁殖しやすい状態になります。すると歯茎の深部にまで細菌が侵入し、骨の減少が始まります。残念ながらこの状態でも強い痛みといった自覚症状がでることはまれです。敏感な方ですと口臭を感じたり歯茎の違和感を覚えられ、受診される方もいらっしゃいます。
歯周病検査でポケットの数値が3~4mm程度までの方が該当します。検査時に出血を伴うことが多いです。
3.中等度歯周炎
歯周病がかなり進行し、骨の半分程度が失われた状態です。骨が溶けて失われた分だけ歯肉が膨らんで歯を守ろうとするため、より歯茎は炎症を起こし膿を出すようになる為、口臭がより悪化します。歯茎が膨らむと歯磨きをした際痛みやすくなり、歯磨きがより不足する事で病状の悪化が加速する場合もあります。当然、むし歯のリスクも大幅に上昇した状態となります。
歯周病検査でポケットの数値が4mm~8mm程度の方が該当します。検査時に出血や排膿を伴うことが多いです。
4.重度歯周炎
歯周病が骨の深い部分まで進行し、骨の大部分が失われた状態です。歯の揺れが大きくなり患者さんも自覚症状が出てきます。残念ながらこの状態まで進行した場合は、歯周病検査でポケットの数値が8mm以上の方が該当します。平均的な日本人の歯のサイズの場合、歯の種類にもよりますが10mm以上のポケットがある場合、抜歯治療に発展する可能性がかなり高くなります。
以上のように歯周病は、3,4の中等度~重度歯周病になって始めて病気に気が付くケースが多く、歯周病がサイレントキラー「静かなる殺し屋」といわれるゆえんです。こういった状態になるのを防ぐ最大のポイントは、予防歯科にあります。
予防歯科での治療は、定期的に歯科医院を受診し定期チェックと歯周病のケア(クリーニング)になります。また本院では歯周病やむし歯のリスクを判定する細菌検査(自費)も行っており、より繊細な診断を可能としております。
一方、初期歯周炎以上の診断を受けられた方は治療が必要です。本院では保険診療にて歯石除去や機械ブラシによるクリーニングを行い、器具の届かない細かな部分へのケアは自費診療にてPMTC(エアフロー治療)をご提案いたします。また、中等度歯周炎においては重度歯周炎への発展すなわち抜歯を避ける為、身体へのダメージの少ないレーザー治療や歯周再生治療を受ける事ができます。歯茎の骨は一度失われると元に戻すのは非常に困難です。先述の病状に当てはまる方や、歯周病の心配やお悩みをお持ちの方、治療にご興味のある方は是非ご相談ください。
ご予約はWEBか042-860-6555までお問合せください。 院長 吉田 剛